はじめに
今回は、「物事が不安定で変わりやすい性質」を意味する英単語「 volatility(変動性) 」について解説します。この単語は、金融市場のニュースや経済の文脈で頻繁に使われます。実際にこの単語が使われた、BBCが報じたトランプ大統領の世界的な関税政策が期限を迎え、延長されない見通しに関するニュースもご紹介します。
volatilityの意味
「 volatility(変動性) 」とは、「物事が不安定で変わりやすい性質」を指します。特に金融市場においては、株価や為替レートが急速に変動する度合いを示す際に使われます。例えば、「市場のボラティリティが高い(Market volatility is high.)」や、「この株は変動性が大きい(This stock has high volatility.)」といった文脈で使われます。
実際に使用されている場面
英単語「 volatility(変動性) 」が使われているニュース記事を見てみましょう。BBCが2025年6月2日に報じた「Trump’s tariffs ‘not going away’ as deadline for deals looms, top adviser says」という記事に出てきました。
The president’s plan – where countries face between 11% to more than 100% tariffs on goods brought into the US – was announced in April. But the majority of the tariffs were paused by Trump for 90 days in the wake of stock market volatility.
日本語訳: 各国が米国に持ち込む商品に対して11%から100%以上の関税が課せられるという大統領の計画は4月に発表されました。しかし、株価の変動を受け、関税の大半はトランプ前大統領によって90日間一時停止されました。
この記事では下記のことが書かれています。アメリカのトランプ大統領が導入した大規模な関税政策について、90日間の猶予期間が間もなく終了することが報じられています。商務長官のハワード・ラトニック氏は、トランプ大統領がこの猶予を延長する意向はなく、予定どおり7月初めに関税が発動される見通しであると語っています。
今回の関税政策では、輸入品に対して11%から100%以上の追加関税が課される可能性があり、これにより世界中の60以上の貿易相手国、特に欧州連合(EU)、ベトナム、南アフリカなどが影響を受けると見られています。トランプ大統領は、これらの国々が不公平な貿易慣行を続けていると主張し、関税を「正当な報復措置」と位置づけています。
特に注目されているのが中国との関係です。米国のスコット・ベセント財務長官は、中国が信頼できる貿易相手ではなく、国際的なサプライチェーンに必要な製品の供給を意図的に遅らせている可能性があると述べました。また、中国との間には5月にスイス・ジュネーブで暫定的な関税引き下げ合意がなされたものの、本格的な貿易合意には至っておらず、両国関係は依然として緊張した状態が続いています。
さらに、トランプ政権は先週、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を従来の25%から50%に引き上げる方針を発表しました。これは国内の鉄鋼産業を再生させ、中国依存を減らす目的があるとされています。
ホワイトハウスの経済担当高官であるケビン・ハセット氏も、今後の中国との交渉には期待を寄せつつも、交渉が決裂する可能性にも備えるべきだと警鐘を鳴らしました。彼は「大砲があっても弾がなければ戦えない」と述べ、強固な国内製造基盤の必要性を訴えました。
こうした中、中国政府は米国に対し、「誤った措置を即時に是正し、差別的な制限をやめるよう」求め、先月の合意内容を順守するよう呼びかけています。
volatilityの語源
「 volatility(変動性) 」の語源は、ラテン語の動詞「 volare(飛ぶ) 」に由来します。「volatility」は「 volare(飛ぶ) 」+「 -ity(性質) 」という組み合わせで構成されており、「飛ぶような性質」、つまり「不安定で変わりやすい性質」という意味合いを持っています。
同じ語源を共有する単語
「 volatility(変動性) 」と同じ語源を持つ単語を見てみましょう。
ラテン語の動詞「 volare(飛ぶ) 」を語源とする単語には、「 volant(飛翔性の) 」や「 volatile(揮発性の、変わりやすい) 」があります。
「 volant(飛翔性の) 」は例文としては、「その鳥は飛翔性の能力を持っている(The bird has volant abilities.)」があります。
「 volatile(揮発性の、変わりやすい) 」も「 volare(飛ぶ) 」を語源としています。「 volatile 」は例文としては、「ガソリンは揮発性の液体だ(Gasoline is a volatile liquid.)」や、「彼の気分は変わりやすい(His mood is volatile.)」があります。
さいごに
今回は「 volatility(変動性) 」の意味や語源について深く掘り下げました。この単語が「飛ぶ」を意味するラテン語「 volare 」から来ていること、そしてそれが「不安定で変わりやすい」という現代の意味につながることを理解できたでしょうか。金融や経済のニュースでこの単語を見かけたら、ぜひその背景にある語源を思い出してみてください。