はじめに

こんにちは。今日は「危険や損害をもたらす可能性があるもの」を意味する英単語「threat(脅威)」について見ていきましょう。この単語は、政治や経済の文脈でよく使われます。そしてこの単語が実際に使われた、トランプ氏が来年の大統領就任初日に中国、メキシコ、カナダの3カ国に関税を上乗することを表明したニュースも紹介します。

threatの意味

threat」とは、「危険や損害をもたらす可能性があるもの」を意味します。これは、誰かや何かが他者に対して危険を及ぼす可能性があることを示します。例えば、「彼の発言は国際関係に脅威を与えた(His statement posed a threat to international relations.)」や、「そのウイルスは公衆衛生に重大な脅威をもたらしている(The virus poses a significant threat to public health.)」などのように、「threat」を使って危険性を表現することができます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「threat」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2024年11月26日に報じたニュース「Trump vows tariffs on Mexico, Canada and China on day one」の記事の中に出てきました。

 

The threat could mark a major escalation in tensions with the US’s three top trading partners. It could also lead to higher prices for Americans, since tariffs work as a form of tax on imports.

日本語訳: この脅威は、米国の主要貿易相手国3カ国との緊張が大幅に高まることを示す可能性がある。関税は輸入品に対する税金として機能するため、米国人にとっては物価上昇につながる可能性もある。

この記事では下記のことが書かれています。トランプ次期大統領は2025年1月20日の大統領就任初日、メキシコとカナダからの全輸入品に25%、中国からの輸入品には既存の関税にさらに10%を上乗せする新たな関税を課す方針を発表しました。この政策は、麻薬密輸や不法移民問題に対応することを目的としています。

アメリカは世界最大の輸入国であり、中国、メキシコ、カナダの3カ国からの輸入品が全体の40%を占めています。特にメキシコとカナダはアメリカと密接な貿易関係を持ち、メキシコの輸出の80%以上、カナダの輸出の75%がアメリカ向けです。このため、今回の関税は、これら3カ国の経済だけでなく、アメリカ国内の消費者や世界的なサプライチェーンにも重大な影響を与える可能性があります。

中国は、違法薬物の取り締まりに取り組んでいると主張しました。また、貿易戦争が双方にとって不利益をもたらすと警告しました。一方、カナダのトルドー首相はトランプ氏との貿易や国境安全保障についての話し合いを「良い議論だった」と報告していますが、オンタリオ州のフォード首相は「両国の雇用に壊滅的な影響を与える可能性がある」と懸念を表明しました。

メキシコ政府はアメリカが最重要な貿易相手国であると指摘し、米墨加協定(USMCA)が貿易関係に確実性を提供すると強調しましたが、上院議員のフェルナンデス氏は「アメリカが麻薬消費を止め、違法武器輸出を抑制するまで、どのような関税を課すべきか議論するべきだ」と述べています。

関税は輸入品に課される国内税であり、輸入者が税を負担する仕組みです。この費用は最終的に消費者に転嫁されるため、関税は事実上、国内消費者への追加的なコストとしての側面も持ちます。トランプ氏は、関税を他国への圧力として有効だと主張していますが、専門家の多くは「消費者の負担が増大するだけ」と批判しています。実際、過去の関税政策では、アメリカ国内の消費者が負担を感じたことが経済研究で明らかになっています。

専門家の中には、トランプ氏が「緊張を高めてから緩和する」という交渉戦略を採用していると指摘する声もあります。最終的には自由貿易を支持する方向に戻る可能性も示唆されていますが、今回の関税案については、米墨加協定(USMCA)との整合性やアメリカ国内の影響をどのように調整するかが大きな課題となります。

この記事で「threat」は、関税を課すという脅威を指しています。

threatの語源

threat」の語源は、「*treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」に由来しています。これは、何かを強制的に押し付けるという意味から派生し、脅威を与える行為を表しています。

同じ語源を共有する単語

threat」の語源である「*treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」は、他の単語でも使用されています。

treud-」という語源を共有する単語には、「thrust(押し込む)」、「threaten(脅す)」、「abstruse(難解な)」などがあります。これらの単語は、すべて「押す、圧縮する、押し付ける」という意味を持つ「treud-」という語源を共有しています。「thrust」は、「treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」の組み合わせで、「押し込む」という意味を持ちます。例文としては、「彼はドアを強く押し込んだ(He thrust the door open.)」などがあります。「threaten」は、「treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」の組み合わせで、「脅す」という意味を持ちます。例文としては、「彼は彼女を脅して金を要求した(He threatened her for money.)」などがあります。「abstruse」は、「ab-(離れて)」と「*treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」の組み合わせで、「難解な」という意味を持ちます。例文としては、「その理論は非常に難解だ(The theory is very abstruse.)」などがあります。

さいごに

みなさんは「threat」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「危険や損害をもたらす可能性があるもの」という意味を持つと同時に、「*treud-(押す、圧縮する、押し付ける)」という語源を共有する単語にも関連しています。

今回の発表は、トランプ次期大統領が示した方針にすぎず、現時点では正式に決定されたものではありません。この関税政策が実際に発動されるかどうか、また、具体的な影響がどのように現れるかは、今後の各国間の交渉や政策の実行状況に大きく左右されるでしょう。特に、アメリカ国内外の経済や貿易関係に与える影響は非常に大きいため、冷静にその動きを見守る必要があります。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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