はじめに

こんにちは。今回は、CNNの報道にも登場した英単語「tease(からかう、じらす)」について解説します。この単語は、期待を持たせつつ情報を小出しにする状況でよく使われます。トランプ大統領がTikTokの新たな買い手について「あと2週間」とじらしたニュースを例に、その意味と語源を深掘りしていきましょう。

teaseの意味

tease(からかう、じらす)」は、人をからかったり、期待を持たせながらもすぐに満足させないといった意味を持つ動詞です。例えば、「彼はいつも妹をからかっている(He is always teasing his sister.)」や、「彼女は答えをじらしている(She is teasing us with the answer.)」のように使われます。特に、何かをすぐに明かさずに、焦らしたり、期待感を高めたりする状況でよく用いられます。

実際に使用されている場面

英単語「tease(からかう、じらす)」が実際に使われている例として、CNNが2025年6月29日に報じた「Trump says there’s a TikTok buyer that he’ll reveal in ‘about two weeks’」の記事を見てみましょう。

 

President Donald Trump said in an interview that aired Sunday there is a “buyer for TikTok,” teasing an announcement to come in “about two weeks.”

日本語訳: ドナルド・トランプ大統領は日曜日に放送されたインタビューで、「TikTokには買い手がいる」と述べ、約2週間以内に発表するとじらしました。

この記事では下記のことが書かれています。ドナルド・トランプ大統領は先日、Foxニュースのインタビューで、TikTokの買い手が見つかったことを明らかにされました。大統領は、中国の習近平国家主席の承認が必要になるとの見通しを示しつつ、約2週間以内に詳細を発表する予定だと述べています。買い手については「非常に裕福な人々のグループ」であると説明されました。

TikTokの親会社である中国企業のByteDanceに、米国事業の売却を義務付ける法律は、およそ5ヶ月前に施行されました。しかし、トランプ大統領がこの法律の執行を遅らせる命令を繰り返し出してきたため、これまでのところ売却も禁止も行われていません。例えば、6月19日に迫っていた売却期限も、大統領が90日間の延長を承認したことで、現在は9月17日に設定されています。

この執行延期により、TikTokの米国での将来を確保する取引の状況について疑問が生じていました。中国政府は、TikTokの「アルゴリズム」を含まない形での売却であれば承認する可能性があると示唆しているものの、具体的な動きはほとんど見せていません。

今年の4月には、TikTokの米国事業の過半数支配を米国企業に移管する取引がほぼ成立しかけていました。しかし、トランプ大統領が中国に追加関税を発表したことで、この取引は頓挫しました。このため大統領は、アプリの運用を継続させるために、さらに75日間の執行延期を余儀なくされました。ByteDanceは、当時の状況について「解決すべき重要な事項があり、いかなる合意も中国法の承認を条件とする」とコメントしています。

この記事では、トランプ氏がTikTokの売却に関する情報をすぐに明かさず、聴衆の期待を煽る様子が「teasing an announcement」という形で表現されています。彼はTikTokの買い手について具体的な名前を明かさず、「約2週間以内」という期間を示唆することで、発表を焦らしているのです。

teaseの語源

tease(からかう、じらす)」の語源は、古英語の「tæsan」にあります。「tæsan」は「引き抜く、引っ張る、裂く、引き離す、梳く」といった意味を持っていました。元々は、羊毛などを梳いたり、細かく引き裂いたりする物理的な行為を指していましたが、それが転じて、人を「引っ張る」ように焦らしたり、心を「引き裂く」ようにからかったりする心理的な意味合いを持つようになりました。

同じ語源を共有する単語

tease(からかう、じらす)」と同じく、古英語の「tæsan」(引き抜く、引っ張る、裂く、引き離す、梳く)を語源に持つ単語には、「teaser」と「brain-teaser」があります。

teaser」は、「tease」という動詞に「-er」(〜する人/物)という接尾辞が付いて構成されています。これは、期待を煽るもの、特に映画の予告編や広告などで、本編の内容を少しだけ見せて興味を引くものを指します。例えば、「その映画の予告編は本当に期待を持たせた(The movie teaser was very exciting.)」のように使われます。

一方、「brain-teaser」は、「brain」(脳)と「teaser」(じらすもの)という2つの単語が組み合わさってできています。これは、頭を悩ませる問題やなぞなぞを意味し、考えることで「脳をじらす」ような感覚を表しています。例えば、「このなぞなぞは本当に難しい(This brain-teaser is really challenging.)」といった文脈で用いられます。これらの単語も、「tæsan」が持つ「引き出す」「引っ張る」といった元々の意味から派生し、人を特定の状態に誘い込む、または思考を促すといったニュアンスで使われています。

さいごに

今回は「tease(からかう、じらす)」という単語に焦点を当て、その意味や語源、そして実際の使われ方について詳しく見てきました。ドナルド・トランプ氏のTikTokに関する発言のように、現代のニュースでも頻繁に登場するこの単語は、単に「からかう」だけでなく、「期待を抱かせながら焦らす」という複雑なニュアンスを含んでいます。古英語の「tæsan」に由来するこの単語が、どのようにして現代の「じらす」という意味を持つようになったのか、理解を深めていただけたでしょうか。

それでは、今日はこの辺で失礼します。

参考文献

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