はじめに
こんにちは。今回は、人間の体を支える重要な部位を指す英単語「spine(背骨)」について解説します。この単語は、文字通りの意味だけでなく、物事の根幹や勇気を表す際にも用いられます。BBCが報じた、旅行保険の重要性を訴えるニュース記事で実際に使用された例も紹介しながら、その意味と語源を深掘りしていきましょう。
spineの意味
「spine(背骨)」は、主に「背骨」や「脊椎」を意味します。人体の解剖学的構造を指すだけでなく、「本の背表紙」や「山脈の連なり」など、細長く連なるものや、物事の「中核」「根幹」といった抽象的な意味でも使われます。また、「勇気」や「気骨」といった意味合いで用いられることもあります。例えば、「彼は背骨を折った(He broke his spine.)」や、「その本は赤い背表紙を持っている(The book has a red spine.)」、さらには「彼はその問題に取り組む勇気がある(He has the spine to tackle the problem.)」といった文脈で使われます。
実際に使用されている場面
英単語「spine(背骨)」が使われているニュース記事を見てみましょう。BBCが2025年6月25日に報じた「Not having travel cover is stupid – fall victim」という記事に登場しました。
A man who suffered serious injuries after falling from a balcony while on holiday in Cyprus is urging people to take out travel insurance before they go abroad. Sam Hudson, 24, from Lincoln, broke his leg, pelvis and spine when he fell four storeys from a hotel balcony in Ayia Napa.
日本語訳: キプロスで休暇中にバルコニーから転落し重傷を負った男性が、海外旅行前に旅行保険に加入するよう呼びかけている。リンカーン出身のサム・ハドソンさん(24歳)は、アギア・ナパのホテルのバルコニーから4階の高さから転落し、脚、骨盤、脊椎を骨折した。
この記事では下記のことが書かれています。24歳のサム・ハドソンさんは、キプロスのアイア・ナパでの休暇中にホテルのバルコニーから4階分の高さから転落し、脚、骨盤、脊椎を骨折するという重傷を負いました。彼は旅行保険に加入していなかったため、2,000マイル以上離れた病院で身動きが取れない状態です。
サムさんは、「愚かなことをしました。保険に入らず、大丈夫だと思っていました。でも、そうではありませんでした」と、10日間も身動きが取れない病院のベッドから語っています。英国保険協会は、海外での医療費は高額で精神的にも負担が大きいため、旅行保険が不可欠であるというメッセージを支持しました。
サムさんは義理の兄弟であるネイサンさんと友人のアルフィーさんとともにアイア・ナパへ旅行しました。彼にとって友人のみとの初めての海外旅行でした。彼は「約4ヶ月前から計画していた休暇で、皆とても楽しみにしていました。男同士の旅行は初めてでした」と話しています。
休暇はすぐに悲劇へと変わりました。彼の脚はギプスで固定され、動けないためカテーテルを付けています。事故以来、彼はまともに食事ができておらず、ゼリーを食べて生き延びています。携帯電話のバッテリーが少なくなると、看護師を呼んで充電してもらう必要があります。
サムさんは、受けている医療は良いものの、言葉の壁があるため、痛みについてスタッフに説明するのが難しいと述べています。彼は休暇や事故についてあまり覚えていませんが、目撃者によると、彼は自分の寝室のバルコニーから隣の部屋にある義理の兄弟のバルコニーへよじ登ろうとしていたとのことです。彼は転落し、下のコンクリートに落下しました。
彼は旅行保険に加入しておらず、無料で医療を受けられる、または割引されるグローバル健康保険証(GHIC)も持っていなかったため、キプロスで手術を受けることができません。
彼の継母であるカレンさんと父親のマイクさんが彼を助けようとしていますが、彼が友人の家や元パートナーの家に住んでいたため、住所を証明するのが難しい状況です。彼らは事故後、約1,300ポンドをかけてキプロスへ飛びました。
現在、カレンさんがキプロスへ再度飛ぶ計画を立てていますが、航空券、宿泊費、食費で月に最大3,000ポンドかかり、8月まで滞在する必要があると考えています。カレンさんは、「サムの行動には腹が立っていますが、今は関係ありません。彼が家に帰ってきて痛みがなくなったら、話し合いをします。腹立たしいですが、彼が生きていてくれて安心しています。もっとひどいことになっていたかもしれません」と話しました。
サムさんを医療搬送で帰国させるには、最大38,000ポンドかかる可能性があるため、家族は募金活動を開始しました。彼らは皆に旅行保険とGHICカードに加入するよう強く呼びかけています。また、海外へ行くすべての人に旅行保険の加入を義務化するよう政府に求める請願も開始しました。この記事は、海外旅行中にバルコニーから転落し重傷を負った男性が、旅行保険に加入していなかったために多額の医療費と帰国費用に苦しんでいる状況を伝えています。ハドソンさんは自身の体験から、旅行保険の重要性を強く訴えかけています。
この文脈では、spineが直接的に身体の部位である「背骨」を指しており、事故の深刻さを物語っています。
spineの語源
「spine(背骨)」の語源は、ラテン語のspinaに由来します。spinaは「背骨」や「とげ」を意味し、これが英語のspineへと直接的に受け継がれています。このように、spineは古くからその形や機能に関連する意味合いを持っていたことが分かります。
同じ語源を共有する単語
「spine(背骨)」と同じ語源であるラテン語のspina「背骨、とげ」を共有する単語を見てみましょう。
まず、「spinach(ほうれん草)」があります。これは、spinaが持つ「とげ」の意味から派生し、ほうれん草の葉が少しとがっていることに由来すると言われています。例えば、「サラダにほうれん草を入れた(I added spinach to the salad.)」のように使われます。
次に、「spineless(意気地なしの、弱気な)」があります。この単語は「spine(背骨)」に否定の接尾辞「-less」が付くことで、「背骨がない」、つまり「意気地がない」「勇気がない」という意味になります。例文としては、「彼はとても意気地なしだ(He is very spineless.)」が挙げられます。
最後に、「spine-chiller(ぞっとする話、ホラー作品)」です。これは「spine(背骨)」と「chiller(ぞっとさせるもの)」が組み合わさっており、「背筋が凍るような」という感覚から、「ぞっとする話」や「ホラー作品」を意味します。例えば、「その映画は本当のぞっとする話だった(That movie was a real spine-chiller.)」のように使用されます。
さいごに
「spine(背骨)」は、単なる身体の部位だけでなく、物事の核や精神的な強さを示す多義的な単語です。その語源がラテン語のspinaにあり、「とげ」や「背骨」といった意味から派生して様々な単語が生まれたことを知ると、英語の奥深さを感じられます。今回の記事を通じて、spineの理解が深まり、さらに英語学習が楽しくなれば幸いです。
それでは、今日はこの辺で失礼します。