はじめに

こんにちは。今日は、シリアの反政府勢力に関連する英単語「rebel(反逆者)」について見ていきましょう。この単語は政治や戦争の文脈でよく使われます。そして、この単語が実際に使われたシリアのアサド政権崩壊を受け、イギリス政府は反体制派を率いたイスラム武装勢力「ハヤート・タフリール・アル=シャーム(HTS)」のテロ指定を見直す方針を示したニュース記事も紹介します。

rebelの意味

rebel」とは、「権力や統治者に対して反抗する者」を意味します。これは、特に政府や権威に対して武力や暴力を用いて反対する人々を指します。例えば、「彼らは政府に対して反逆している(They are rebelling against the government.)」や、「彼は反逆者として知られている(He is known as a rebel.)」などのように、「rebel」を使って反抗する人々を表現することができます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「rebel」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2024年12月9日に報じたニュース「UK to make swift decision on banned Syria group HTS, says minister」の記事の中に出てきました。

 

The UK government will consider if Islamist militant group Hayat Tahrir al-Sham should still be designated a terrorist organisation after the rebels led the overthrow of Bashar al-Assad in Syria, said a minister.

日本語訳: 英国政府は、シリアの反政府勢力がバシャール・アル=アサド大統領の打倒を主導した後、イスラム過激派組織ハヤート・タハリール・アル=シャムがテロ組織として指定され続けるべきかを検討すると述べました。

この記事では下記のことが書かれています。シリアのアサド政権が、今月8日に崩壊しました。アサド大統領はロシアに逃亡し、シリアの政局は大きな転換点を迎えています。この政変の中心的な役割を果たしたのは、反体制派の武装勢力「ハヤート・タフリール・アル=シャーム(HTS)」です。

HTSは過去に国際テロ組織アルカイダとつながりがあったため、現在イギリスを含む多くの国で「テロ組織」として指定されています。しかし、今回のアサド政権崩壊を受けて、イギリス政府はHTSの扱いを見直す可能性を示唆しました。

イギリスのキア・スターマー首相は、アサド政権の崩壊を歓迎するとともに、今後HTSとの関わり方を検討する必要があると述べました。現在のところ、イギリス政府はHTSをテロ組織に指定しているため、HTSとの公式なコミュニケーションを取ることができません。

しかし、イギリスの政府高官であるパット・マクファデン氏は、シリアの情勢が安定すれば「比較的早い段階での決定が必要になる」と述べ、テロ指定の見直しを示唆しました。この背景には、HTSの指導者であるアブ・ムハンマド・アル=ジョウラニ(本名:アフマド・アル=シャラー)の動きが関係しています。彼は2016年にアルカイダとの関係を断ち切り、最近では「少数派や宗教的多様性を尊重する」との発言をしており、これがイギリス政府の判断に影響を与えていると見られます。

一方、イギリスの専門家や政府関係者の間では、HTSのテロ指定見直しに関して意見が分かれています。元MI6(イギリス秘密情報部)長官のサー・ジョン・ソワーズ氏は、「HTSが依然としてテロ組織に指定されているため、イギリスがHTSと交渉できないのは滑稽だ」と批判的な意見を述べ、テロ指定の見直しを支持しました。

これに対して、野党保守党の影の外務大臣であるプリーティ・パテル氏は、「イギリス政府はシリアの人々を最優先に考えるべきだ」と主張し、HTSのテロ指定を解除する際には「安全保障や防衛への影響も考慮すべきだ」と訴えています。彼女は、イギリスの安全保障や中東の安定に対するリスクを慎重に評価する必要があると強調しています。

一方、アサド政権崩壊後の動きでは、アサド大統領の妻であるアスマ・アル=アサドにも注目が集まっています。彼女はかつてロンドンで投資銀行家として働いており、現在もイギリスの国籍を保持しています。今回の政変を受け、彼女も夫とともにロシアに亡命したとされていますが、イギリス政府は「アスマ氏の帰国要請はこれまでに受けていない」と発表し、特別な対応は取られていません。

イギリス政府は、今後のシリアの政権が安定するかどうかを注視しています。特にHTSの今後の行動に関心が集まっています。HTSは「少数派の保護」や「市民の権利の尊重」を約束していますが、これが実際に行動として示されるかどうかが、イギリスがテロ指定を解除するか否かの大きな判断材料になると考えられています。

HTSの行動やシリアの新政権の安定は、イギリスだけでなく、国際社会全体の対応に大きな影響を与えるでしょう。これからのシリアの情勢の行方は、世界的な注目を集めることになりそうです。

この記事では、「rebel」がシリアの反政府勢力を指す文脈で使われています。反政府勢力がアサド大統領の打倒を主導したことに関する報道です。

rebelの語源

rebel」の語源は、「re-(後ろ、再び)」とラテン語の「bellare(戦争をする)」に由来しています。「re-」は「後ろ、再び」という意味を持ち、「bellare」は「戦争をする」を意味します。

同じ語源を共有する単語

re-(後ろ、再び)」と「bellare(戦争をする)」は、他の単語でも使用されています。

re-」という語源を共有する単語には、「return(戻る)」や「redo(やり直す)」などがあります。「return」は「re-(後ろ、再び)」と「turn(回る)」が組み合わさって「戻る」を意味し、例文として「he returned home(彼は家に戻った)」があります。「redo」は「re-(後ろ、再び)」と「do(する)」が組み合わさって「やり直す」を意味し、例文として「she decided to redo the assignment(彼女は課題をやり直すことにした)」があります。

一方、「bellare」という語源を共有する単語には「rebellion(反乱)」があります。「rebellion」は「re-(後ろ、再び)」と「bellare(戦争をする)」が組み合わさって「反乱」を意味し、例文として「the rebellion was quickly suppressed(反乱はすぐに鎮圧された)」があります。

さいごに

みなさんは「rebel」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「権力や統治者に対して反抗する者」という意味があります。また、「re-(後ろ、再び)」+「bellare(戦争をする)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

今回のイギリスの判断は、世界的に大きな注目を集めています。シリアでは10年以上にわたって内戦が続いていましたが、ようやく終結を迎え、市民の多くはひとまず安堵していることでしょう。しかし、ここからが本当の試練です。内戦によって荒廃した国土や経済をどう立て直すのか、これが最も難しい課題です。これまではアサド大統領という共通の「敵」がいたために、反体制派の団結が保たれていましたが、今後はそうはいきません。新たな政権が国内の結束を図るのは簡単なことではないでしょう。各派閥の利害や信念が異なる中で、再び国内が一つにまとまるためには、非常に難しいことです。シリアの平和が本物のものとなるよう、国際社会も引き続き支援していく必要がありそうです。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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