はじめに
こんにちは。今回は、「多大な利益を生み出す」という意味を持つ英単語「lucrative(儲かる、利益の多い)」に焦点を当ててご紹介します。この単語はビジネスや経済の文脈で非常によく使われます。今回はこの「lucrative」が実際に使用された、南アフリカで急成長するアウトソーシング業界と海外企業の仕事を通じて人生を変えた若き会計士エセツ・ディウィリさんの物語を紹介したニュース記事もあわせてご紹介します。
lucrativeの意味
「lucrative(儲かる)」とは、「多額の利益や収益を生み出す」ことを指す形容詞です。経済的な成功や高収入を伴う仕事や事業を説明する際によく用いられます。例えば、「彼は非常に儲かる投資をしました(He made a very lucrative investment.)」や、「そのビジネスはすぐに儲かるようになりました(The business quickly became lucrative.)」といった文脈で使用されます。
実際に使用されている場面
英単語「lucrative(儲かる)」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年10月23日に報じた「How the outsourcing sector became South Africa’s newest goldmine」という記事の中に出てきました。
Esethu Dywili says his lucrative accountancy work has given him the chance to change his family’s life.
日本語訳: エセトゥ・ドイリ氏は、彼の儲かる会計士の仕事が、家族の生活を変える機会を与えてくれたと語っています。
この記事では下記のことが書かれています。南アフリカで会計の仕事をするエセツ・ディウィリさんは、海外企業向けのアウトソーシング業務によって家族の生活を大きく変えることができたと語っています。31歳の彼は、南アフリカで急成長しているアウトソーシング業界で数年間働き、現在はヨハネスブルクに住んでいます。2022年には、アメリカやイギリスの企業からの仕事で得た収入をもとに、故郷である東ケープ州の村に新しい家を建て、両親や兄弟にプレゼントしました。
ディウィリさんは、海外通貨で収益を上げる企業で働くことが高収入につながると話します。米ドルや英ポンドで取引する企業は、南アフリカ国内企業よりも高い給与を支払うことができるためです。南アフリカでは失業率が約33%と非常に高く、こうしたチャンスを得ることは簡単ではありません。それでも、アウトソーシング業界は多くの若者に新しい道を開いています。
南アフリカが海外企業から注目されている理由には、コスト削減のほか、イギリスなどでの人材不足もあります。南アフリカの給与水準はイギリスの約半分ですが、教育レベルの高さや英語力、そしてイギリスとの時差が1〜2時間と少ない点が強みになっています。そのため、会計やIT、ソフトウェア開発、データ分析、デジタルマーケティングなどの分野で需要が拡大しています。
ダーバンで同じ業界に携わる公認会計士のサイモン・ウィーラーさんは、南アフリカの人々の働きぶりを「非常に勤勉でエネルギッシュ」と評価しています。彼は「南アフリカの人々はこのチャンスを両手でつかみ、全力で取り組んでいる」と語り、これまで海外に出なければ得られなかった国際的な経験を、国内で積める時代になったと強調しています。
語源の紹介
「lucrative(儲かる)」の語源は、ラテン語で「利益、利得」を意味する「lucrum」に由来しています。「lucrative」という単語は、「lucrum(利益)」に形容詞を作る接尾辞「-ativus」(英語の「-ative」に対応し、「〜の性質を持つ」の意)が組み合わされて成立しており、「利益を生み出す性質を持つ」という意味合いが込められています。
例文: The new venture proved to be very lucrative.(その新しい事業は非常に儲かることが証明された。)
同じ語源を共有する単語
「lucrative(儲かる)」と同じ語源「lucrum(利益、利得)」を共有する単語には、ラテン語の「lucrum」が直接英語になった「lucre(金銭的な利益、特に不当な利益)」があり、これは「lucrum(利益)」というシンプルな構造から成り立ち、「彼らは卑しい金銭的利益への欲望のみに動機づけられていた(They were motivated only by the desire for sordid lucre.)」のように、ときおり否定的な文脈で「汚い金」といったニュアンスで用いられます。
さいごに
「lucrative(儲かる)」は、「多大な利益を生み出す」という意味があり、「lucrum(利益)」という語源から来ていることが理解できましたね。ビジネスや経済に関する話題でこの単語に出会った際には、その背景にある「利益」の意味を思い出してください。
それでは、今日はこの辺で失礼します。また次回お会いしましょう。