はじめに

こんにちは。今日は「苦痛を避け、尊厳ある死を迎える」ことを意味する英単語「euthanasia(安楽死)」について見ていきましょう。この単語は、医学や倫理の世界でよく使われます。そしてこの単語が使われた、カナダで安楽死が増加しているというBBCのニュースも紹介します。

euthanasiaの意味

euthanasia」とは、「医師の手助けによって平穏に死ぬこと」を意味します。この言葉は、特に苦痛を伴う病気や回復の見込みがない状況で使用されます。例えば、「カナダでは安楽死の法的な枠組みが整備されている(Canada has a legal framework for euthanasia)」や、「彼は安楽死を選んだ(He chose euthanasia)」などのように使われます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「euthanasia」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2024年12月12日に報じた「Canada euthanasia now accounts for nearly one in 20 deaths」の記事の中に出てきました。

 

The rate of medical assistance in dying – also known as euthanasia – has grown in Canada for the fifth straight year, albeit at a slower pace.

日本語訳: カナダでは、安楽死としても知られる死に際の医療援助の割合は、ペースは鈍化しているものの、5年連続で増加している。

この記事では下記のことが書かれています。カナダでは2016年に安楽死が合法化されて以来、件数が年々増加しています。2023年には約15,300人が安楽死を選択し、これはカナダ全体の死者数の約4.7%に当たります。前年からの増加率は16%で、これまでの平均増加率31%と比べると鈍化しましたが、原因は不明です。安楽死を選んだ人々の96%は「自然な死が予見される」状態で、4%は慢性的な病気や苦痛を理由に選択したケースです。平均年齢は77歳、最も多い基礎疾患はがんでした。

2023年の報告書では、安楽死を選んだ人々の人種や民族データが初めて公開されました。96%が白人(カナダ全体の白人人口比率は約70%)で、東アジア系は1.8%(全体比率は約5.7%)でした。人種ごとの利用率の違いは明確な理由が不明ですが、医療アクセスや文化的背景が影響している可能性があります。

地域別では、ケベック州が全体の37%を占め、同州の人口比率(22%)を大きく上回っています。ケベック州は他の州より安楽死の受け入れが進んでおり、州政府は2024年にこの傾向の原因を調査する予定です。

安楽死は当初「自然な死が合理的に予見される」場合に限られていましたが、2021年の法改正で、死期が迫っていない慢性的な病気や障害を持つ人々にも適用が可能になりました。さらに、2023年には精神疾患を持つ人にも適用する予定でしたが、州政府や医療関係者からの懸念を受け、開始は2027年まで延期されました。

カナダの安楽死制度は他国からも注目されており、イギリス議会では「警鐘を鳴らすべき例」として言及されました。特に、貧困や住居問題を理由に安楽死を選んだケースが議論を呼んでいます。2023年10月、オンタリオ州が発表した報告書では、がん患者が手術中に安楽死の選択肢を提示されたケースや、化学物質過敏症を理由に安楽死を申請した50代の女性が十分な福祉支援を受けられなかった事例が報告され、批判が高まりました。

カナダの基準では、「他に合理的な選択肢がない」と判断された場合、安楽死が認められますが、この基準の曖昧さが批判されています。安楽死の適用範囲が拡大する一方、社会的な支援が不十分なまま選択が行われるケースが浮き彫りになっています。

カナダの安楽死制度は、選択の自由を広げる一方で、新たな課題も生じています。人種ごとの利用率の違いや、貧困や住居問題が原因の安楽死事例は、制度の公平性や福祉の不備を考える上で重要な論点です。2027年に予定される精神疾患への適用拡大は、さらなる議論が必要とされるでしょう。安楽死は「生きる権利」と「死を選ぶ権利」の両方に関わる重要なテーマです。今後、カナダがこの制度をどう改善していくのか、他国がどう参考にするのかは国際的な注目を集めるでしょう。

euthanasiaの語源

euthanasia」の語源は、「eu-(良い)」+「thanatos(死)」に由来しています。つまり、「良い死」を意味します。

同じ語源を共有する単語

euthanasia」の語源である「eu-(良い)」と「thanatos(死)」は、他の単語でも使用されています。

「eu-」という語源を共有する単語には、「euphonium(楽器のユーフォニアム)」、「euphony(心地よい音)」、「euphoria(幸福感)」などがあります。例えば、「彼はユーフォニアムを演奏する(He plays the euphonium)」や、「詩の響きが心地よい(The euphony of the poem is pleasant)」、そして「幸福感が彼を包んだ(He was enveloped in euphoria)」などのように使われます。

一方、「thanatos(死)」という語源を共有する単語には、「thanatology(死の研究)」があります。例文としては、「彼はthanatologyを専攻している(He majors in thanatology)」があります。

さいごに

みなさんは「euthanasia」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「医師の手助けによって平穏に死ぬこと」を意味します。また、「eu-(良い)」+「thanatos(死)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

安楽死は、自らの生死を決めるという非常に繊細な問題です。このテーマについて特に意見を述べるつもりはありませんが、今回はBBCで取り上げられていた記事としてご紹介しました。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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