はじめに

こんばんは。今日は「法律を制定する」「実施する」という意味を持つ英単語「 enact 」について見ていきましょう。この単語は政治や法的文脈で特によく使われます。そして、実際に使われたニュースとして、トランプ大統領による関税政策が違法であるとして、全米12州の州司法長官が連邦裁判所に提訴したことを報じた記事を紹介します。

enactの意味

enact 」とは、「法律を制定する」「行動を実行に移す」という意味を持つ動詞です。例えば、「その法案は正式に制定された(The bill was formally enacted.)」や、「政府は新しい政策を実施した(The government enacted new policies.)」という文脈で使用されます。

実際に使用されている場面

英単語「 enact 」はCNNが2025年4月23日に報じた「Twelve states sue the Trump administration over ‘tax hikes’ through tariffs」の記事で使用されていました。

 

Twelve states sued the Trump administration Wednesday for “illegally imposing” tax hikes on Americans through tariffs.Trump imposed the tariffs through the International Emergency Economic Powers Act (IEEPA), which gives the president the authority to enact those powers in response to unusual and extraordinary threats. The lawsuit seeks a court order to halt the tariffs under IEEPA, saying Trump does not have the authority he claims he does.

日本語訳: 12州は水曜日、トランプ政権が関税を通じてアメリカ国民に「違法に増税を課した」として提訴した。トランプ大統領は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき関税を課した。この法律は、大統領に異常かつ異常な脅威への対応としてこれらの権限を行使する権限を与えている。この訴訟は、トランプ大統領が主張するような権限はIEEPAに基づいていないとして、IEEPAに基づく関税の停止を求める裁判所命令を求めている。

この記事では下記のことが書かれています。トランプ大統領が導入した関税政策に対して、アメリカの12の州が「違法に課税された」として連邦裁判所に訴えを起こしました。この関税は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて発動されたものですが、訴訟を起こした州は、IEEPAは本来このような目的で使われるべきものではないと主張しています。

IEEPAは「異常かつ特別な脅威」に対処するために大統領に広範な権限を与える法律ですが、過去50年近くの運用では、どの大統領もこの法律を使って関税を導入したことはありませんでした。これに対して今回の訴訟では、「貿易赤字の拡大」などを国家緊急事態とすることは、法律の想定を超えており、関税の根拠としては不適切であるとされています。

また、ホワイトハウスの報道官は、この訴訟を「魔女狩り」と非難し、不法移民やフェンタニルの流入、米国の貿易赤字を挙げて、緊急事態に対処するための正当な措置だと主張しています。

この訴訟には、ニューヨーク、アリゾナ、コロラド、コネチカット、デラウェア、イリノイ、メイン、ミネソタ、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、バーモントの12州の州司法長官が参加しており、先週にはカリフォルニア州も独自に訴訟を起こしました。彼らは、これらの関税が憲法や行政手続法(Administrative Procedure Act)に違反しており、州や住民に「取り返しのつかない損害」を与えているとしています。

さらに、この訴訟は、4月初めに一時停止された「世界的報復関税」の再導入も阻止するよう裁判所に求めています。また、小規模事業者グループや市民自由団体も同様の趣旨で提訴しており、IEEPAの解釈と使用に関する全国的な議論が活発化しています。

enactの語源

enact 」の語源はラテン語の「 en-(中に) 」+「 agere(動かす、駆動する、前進させる) 」に由来します。この組み合わせは「動きを中に取り入れる」、つまり「実行に移す」という意味を表しています。

同じ語源を共有する単語

en-(中に、〜にする)」という部分を共有する単語にはいくつかあります。「encourage」 は「en-(中に、〜にする)」+「courage(勇気)」で構成され、「勇気を与える」というニュアンスを持ちます。例文:「その教師は生徒を励まして最善を尽くさせた(The teacher encouraged the students to do their best.)」。「enrich」 は「en-(中に、〜にする)」+「rich(豊か)」から形成され、「豊かにする」という意味になります。例文:「その経験は彼の人生を豊かにした(The experience enriched his life.)」。「entangle」 は「en-(中に、〜にする)」+「tangle(もつれ)」で構成され、「絡ませる」や「巻き込む」という意味を持ちます。例文:「その議論は彼を非常に混乱させた(The debate entangled him in confusion.)」。

agere(動かす)」という部分を共有する単語にはいくつかあります。「act」 は「agere(動かす)」が直接変化した形で、「行動する」を意味します。例文:「彼は危険に立ち向かって行動した(He acted bravely in the face of danger.)」。「interact」 は「inter-(間に)」+「act(行動)」の組み合わせで、「相互作用する」という意味になります。例文:「子供たちは楽しく遊びながら互いに関わり合っている(Children interact playfully while they are playing.)」。「react」 は「re-(再び)」+「act(行動)」から成り、「反応する」という意味を表します。例文:「彼はそのニュースに驚いた(He reacted with surprise to the news.)」。

さいごに

enact 」という英単語の意味や語源について理解できましたか?この単語は特に法的な文脈で重要な役割を果たしています。そして「en-」+「agere」という語源を共有する単語には、「act」「interact」「react」などがあります。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではまた〜!

参考文献

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