はじめに
こんにちは。今日は、「放出」や「排出」を意味する英単語「 emission(排出) 」について詳しく見ていきましょう。この単語は、環境問題やエネルギーの文脈で頻繁に使われます。今回はBBCが報じた2024年は世界の電力の40%以上が再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーで賄われたというニュース記事の例を交えて紹介します。
emissionの意味
「 emission(排出) 」は、特にガスや液体、光などが放出されることを指します。環境問題の文脈では、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量について語られる場面が多いです。例文として、「二酸化炭素排出量が増え続けている(Carbon dioxide emissions continue to rise.)」や「太陽エネルギーは排出量を減らす鍵となる(Solar energy is key to reducing emissions.)」などがあります。
実際に使用されている場面
英単語「 emission(排出) 」は、BBCの2025年4月8日に報じた「Clean energy’s share of world’s electricity reaches 40%, report says」の記事に登場しました。
このニュースでは、2024年に世界の電力の40%以上が化石燃料を燃焼せずに生成されたことが報告されています。しかし、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の排出量は過去最高に達したとされています。暑い気候が電力需要全体を押し上げたため、その結果として化石燃料を燃焼する発電所の利用が増加しました。
But carbon dioxide emissions, which warm the planet, have risen to an all time high, the report says, with hot weather pushing up the overall demand for power.
日本語訳: 地球を暖める二酸化炭素排出量が過去最高に達しており、暑い気候が電力需要全体を押し上げたと報告されています。
この記事では下記のことが書かれています。2024年、世界の電力のうち40.9%が化石燃料を使わない発電方法によって供給されました。これは1940年代以来、初めての水準となります。しかし、温暖化による暑さが原因でエアコンの使用など電力需要が増えたため、化石燃料による発電も増加し、二酸化炭素(CO2)の排出量は過去最高の146億トンに達しました。再生可能エネルギーの割合は増えているものの、電力需要の増加ペースが速く、温室効果ガスの排出削減にはまだ結びついていないのが現状です。
太陽光発電は、ここ20年連続で最も成長している電力源です。特に2024年は、過去3年で発電量が2倍になっており、エネルギー転換の原動力と評価されています。中国がその成長を牽引し、世界全体の増加分の半分以上を占めています。また、インドでも2023年から2024年の間に太陽光の設備容量が倍増しました。
とはいえ、太陽光の割合は全体の電力供給のうちまだ7%弱で、風力が8%、水力が14%とクリーンエネルギーの中では最大のシェアを持っています。原子力も9%を占めますが、風力や太陽光に比べて成長は緩やかです。
一方で、化石燃料では石炭が34%、天然ガスが22%と大きな割合を占めており、電力需要が年4%増加した2024年においては、これらの発電所の稼働も1.4%増加しました。特にインドや中国などの成長著しいアジア諸国では、経済成長に伴う電力需要の拡大が、化石燃料依存の継続を後押ししています。
再生可能エネルギーの導入は確実に進んでおり、世界の電力供給構造は変わりつつありますが、そのスピードは地球温暖化の進行と比べてまだ不十分です。暑さによる電力需要の増加が一時的である可能性があることから、今後は2025年以降に再エネ拡大が温室効果ガスの削減に結びつく可能性もあります。
このように、「 emission(排出) 」は、環境問題において重要なキーワードとして頻繁に使われています。
emissionの語源
「 emission(排出) 」の語源は、ラテン語の「 ex(外へ) 」+「 mittere(送る) 」に由来します。この組み合わせから「外に送り出す」という意味が生まれます。
例文を交えると、「排出源から汚染物質を送る(Send pollutants out of the emission source)」という表現が可能です。また、「 ex 」は方向性を示し、「 mittere 」は動作(送る)を意味しています。
同じ語源を共有する単語
「 ex(外へ) 」を共有する単語としては、まず「 export(輸出する) 」があります。この単語は「 ex(外へ) 」+「 portare(運ぶ) 」から成り立ちます。この組み合わせは、「港を通じて外へ送る」というイメージを与えます。例文として、「 彼らは製品を海外に輸出している(They export goods to overseas markets.) 」が挙げられます。同じく「 expose(さらす) 」も「 ex(外へ) 」+「 ponere(置く) 」からなり、「何かを外に置いて見えるようにする」という意味です。例えば、「 その絵は直接光にさらされている(The painting is exposed to direct light.) 」という文で使われます。また、「 exclude(排除する) 」も重要な関連語で、これは「 ex(外へ) 」+「 claudere(閉じる) 」から構成され、「何かを外に閉め出す」というニュアンスです。例文として、「 彼はそのグループから排除された(He was excluded from the group.) 」が挙げられます。
一方、「 mittere(送る) 」を共有する単語には多くの興味深いものがあります。たとえば、「 submit(提出する) 」は、「 sub(下へ) 」+「 mittere(送る) 」から派生しており、「何かを上司や権威者の下に送る」というアイデアを持っています。例文には「 彼はレポートを提出した(He submitted the report.) 」が挙げられます。また、「 missile(ミサイル) 」は「 mittere(送る) 」の動的なイメージを保ち、「遠くへ送られる物体」を意味します。これを文にすると、「 その国はミサイルを発射した(The country launched a missile.) 」のように表現できます。「 message(メッセージ) 」も同様に「 mittere 」に基づいており、「言葉を送る」という概念が込められています。「 彼女はメッセージを送った(She sent a message.) 」という例で使われる場面がよくあります。
さいごに
今回ご紹介した「 emission(排出) 」の意味や語源について理解を深めていただけましたか?環境問題やエネルギーの文脈では欠かせない単語であり、その背景を知ることでさらに親しみを持てるようになります。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら!