はじめに
こんにちは。今日は、最近のニュースでよく目にする英単語「embrace(受け入れる)」について深掘りしていきましょう。この単語は、新しい技術や変化に対して積極的に向き合う姿勢を表す際によく使われます。そして、この単語が使われたAmazonのアンディ・ジャシーCEOは、人工知能(AI)の積極的な導入が、今後数年で同社の企業部門の従業員数を削減する可能性があると従業員に伝えたニュースも紹介します。
embraceの意味
「embrace(受け入れる)」とは、何かを心から受け入れたり、積極的に取り入れたりすることを意味します。例えば、「新しい技術を受け入れる(embrace new technology)」や、「変化を受け入れる(embrace change)」などの文脈で使用されます。この単語は、単に受け入れるだけでなく、前向きな姿勢や熱意を伴うことが多いのが特徴です。
実際に使用されている場面
さて、英単語「embrace(受け入れる)」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年6月18日に報じた「Amazon boss says AI will replace jobs at tech giant」という記事の中に出てきました。
Amazon boss Andy Jassy has told staff to embrace artificial intelligence (AI) and warned the technology will lead to a smaller corporate workforce in the next few years.
日本語訳:AmazonのCEOアンディ・ジャシーは、従業員に人工知能(AI)を受け入れるよう伝え、この技術が数年で企業の従業員数を減らすだろうと警告しました。
Amazonのアンディ・ジャシーCEOは、人工知能(AI)の積極的な導入が、今後数年で同社の企業部門の従業員数を削減する可能性があると従業員に伝えました。ジャシー氏は社内メモで、従業員に対しAIへの好奇心を持つよう促しています。
AI技術の進化は目覚ましく、チャットボットがコード、画像、テキストを簡単に生成できるようになり、特にテック企業はAIに多大な投資を行っています。しかし、新たなAIツールの普及は、特にエントリーレベルのオフィス業務における大規模な雇用喪失につながるという懸念も引き起こしています。AI企業AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイ氏は、AIがエントリーレベルのホワイトカラー職の半分をなくす可能性があると指摘しました。また、「AIのゴッドファーザー」と呼ばれるジェフリー・ヒントン氏も、AIがこれまでの技術革新とは異なり、新たな雇用を生み出すよりも既存の仕事を代替する可能性が高いと警告しています。
Amazonは昨年時点で全世界で150万人以上の従業員を雇用しており、そのうち約35万人がオフィス業務に携わっています。ジャシーCEOは、Amazonが既に「ほぼすべての部門」でAIを活用しており、将来的には買い物や日常業務などの定型的なタスクをAIが実行するようになると述べています。また、このような変化を「受け入れる」従業員は、社内で有利な立場に立てると強調しました。すでに50万の販売業者がAmazonのAIツールを利用して商品情報を作成しており、広告主もAIを活用しているとのことです。
embraceの語源
「embrace(受け入れる)」の語源は、ラテン語の「in-(中に)」と「bracchium(腕)」に由来します。この組み合わせは、「腕の中に抱きしめる」という意味を表しており、そこから「受け入れる」「抱擁する」といった現在の意味へと発展しました。動詞のembraceは、「en-(中に、〜にする)」という接頭辞と、古フランス語の「bracier(腕で抱きしめる)」が組み合わさってできた言葉です。
同じ語源を共有する単語
「embrace(受け入れる)」と同じ語源を持つ単語を見てみましょう。
「en-(中に、〜にする)」という部分を共有する単語には、「enforce(強制する)」や「enable(可能にする)」があります。「enforce(強制する)」は、「en-(〜にする)」と「force(力)」から成り立ち、「力によって何かを行わせる」という意味ですになります。例文としては、「政府は新しい法律を施行した(The government will enforce the new law.)」があります。一方、「enable(可能にする)」は、「en-(〜にする)」と「able(できる)」から成り立ち、「〜できるようにする」という意味になります。例文としては、「このソフトウェアは彼らが効率的に作業することを可能にする(This software enables them to work efficiently.)」があります。
「bracchium(腕)」という部分を共有する単語には、「brace(固定する、支える)」や「bracelet(ブレスレット)」、「brassiere(ブラジャー)」があります。「brace(固定する、支える)」は、腕で何かをしっかりと支えるイメージから来ています。例文としては、「壁に棚を固定する(brace a shelf against the wall)」があります。「bracelet(ブレスレット)」は、「腕」に着ける装飾品を指します。例文としては、「彼女は美しいブレスレットをつけている(She wears a beautiful bracelet.)」があります。「brassiere(ブラジャー)」は、元々フランス語のbrassière(「子供のシミーズ」や「肩ひも」を意味する17世紀の言葉)から来ており、さらに遡ると古フランス語のbraciere(「腕を守るもの」、14世紀)から派生しています。この言葉は、bras(「腕」)に由来し、ラテン語のbracchium(「腕」)、そしてギリシャ語のbrakhion(「腕」)から来ています。このように、「腕」に関連する意味が発展して現在の「ブラジャー」に至っています。例文としては、「彼女は新しいブラジャーを購入した(She bought a new brassiere.)」があります。
さいごに
今回は、「embrace(受け入れる)」という単語の意味と語源、そして実際に使用された例をご紹介しました。新しい技術や変化が私たちの生活に深く関わる現代において、「embrace」の精神はますます重要になるでしょう。この単語が持つ「積極的に取り入れる」というポジティブなニュアンスを理解することで、英語表現の幅がさらに広がるはずです。
それでは、今日はこの辺で失礼します。