はじめに

こんにちは。今日は、「体制や権威に異議を唱える人」を意味する英単語「dissident(反体制派)」について見ていきましょう。この単語は、政治や社会の文脈でよく使われます。そしてこの単語が実際に使われた、米司法省が、中国政府の支援を受けたとされるハッキング活動に関与したとして、中国人12人を起訴したというニュースも紹介します。

dissidentの意味

dissident」とは、「体制や権威に異議を唱える人」を指します。この言葉は政治的、社会的な議論でよく登場します。例えば、「彼は政府の政策に反対している反体制派だ(He is a dissident who opposes the government’s policies.)」や、「その国では反体制派が逮捕されることが多い(Dissidents are often arrested in that country.)」などの文脈で使用されます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「dissident」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年3月6日に報じた「US charges Chinese hackers who targeted dissidents」という記事の中に出てきました。

 

US prosecutors have charged 12 Chinese nationals for being part of an alleged hacking scheme, which sold data of US-based dissidents to the Chinese government.

日本語訳: 米国検察当局は、アメリカに拠点を置く反体制派のデータを中国政府に売却したとされるハッキング計画に関与したとして、中国人12人を起訴しました。

https://twitter.com/BBCWorld/status/1897512457989443987

この記事では下記のことが書かれています。米国の司法省は、中国政府の支援を受けたとされるハッキング活動に関与した疑いで、中国人12人を起訴しました。これらのハッカーは、米国在住の反体制派の個人情報を中国政府に販売し、さらに米政府機関や外国政府の外務省、宗教団体、報道機関を標的にしていたとされています。

起訴された中には、中国の公安省の職員2名が含まれており、彼らが関与したとされる企業「i-Soon」は、中国の政府機関に対し、1件あたり1万ドルから7万5,000ドルでハッキングによって得た情報を提供していたといいます。司法省は、この組織が中国の各省庁の指示のもと、あるいは独自の判断でサイバー攻撃を実行し、その見返りとして報酬を得ていたと発表しました。

具体的に標的となったのは、米国の財務省をはじめとする政府機関や、以前から中国政府を批判していた宗教団体、香港の報道機関などです。さらに、台湾、インド、韓国、インドネシアの外務省も攻撃を受けていたとされています。

この問題に関し、中国政府はこれまで一貫して関与を否定しており、今回の件についても正式な反応は示していません。しかし、昨年12月には米財務省が「大規模なハッキング被害」を受け、中国が関与したと指摘されるなど、サイバー攻撃に関する対立は深まっています。

また、米国の連邦捜査局(FBI)やサイバーセキュリティ・インフラストラクチャー安全局は、中国政府が関与したとされるハッキング活動が、昨年の米大統領選挙の主要な選挙運動にも影響を及ぼした可能性があると発表しています。さらに、これまでにも中国政府と関係のあるとされるハッカーが、英国の選挙管理委員会やニュージーランド議会を標的にしたケースが報告されています。

米国務省は、今回の起訴に関連して、i-Soonの関係者や中国政府のサイバー攻撃に関与した人物の情報提供に対し、最大1,000万ドルの報奨金を用意すると発表しました。

この記事では、「dissident」は、特に中国政府に対して意見を異にするアメリカ在住の個人に対して使用されています。この文脈から、「dissident」という単語がいかに政治的な内容で使われるかがわかります。

dissidentの語源

dissident」の語源は、「dis-(離れて)」+「sedere(座る)」に由来します。この組み合わせは、「座る場所が別々である」、つまり「意見が合わない」という意味を表しています。

同じ語源を共有する単語

dissident」と同じ語源を持つ単語を見てみましょう。

dis-(離れて)」という部分を共有する単語には、「disagree(意見が合わない)」や「dismiss(解雇する、却下する)」があります。「disagree」は、「dis-(離れて)」と「agree(同意する)」から成り立ちます。この組み合わせにより「同意から離れている」、つまり「意見が合わない」という意味が生まれます。一方、「dismiss」は、「dis-(離れて)」と「mittere(送る)」から成り立っています。「mittere」はラテン語で「送る」という意味を持ちます。この組み合わせにより、「離れて送る」、すなわち「解雇する」や「却下する」という意味が形成されます。このように「dis-」は「離れて」という意味をもたらし、後に続く語の意味と結びついて新たな概念を形作っています。それぞれの単語が持つ背景を知ると、より深く英語の語彙に親しむことができそうですね。

sedere(座る)」という部分を共有する単語には、「obsess(取りつく)」や「president(大統領)」、そして「residence(住居)」があります。「obsess」は「ob-(対して)」+「sedere」の組み合わせで、「心に座り込む」という意味になります。例文としては、「彼は健康について考えすぎる(He obsesses over his health.)」があります。「president」は「pre-(前に)」+「sedere」の組み合わせで、「前に座る人」、つまり「指導者」を意味します。例文としては、「彼はその国の大統領だ(He is the president of the country.)」があります。「residence」は「re-(再び)」+「sedere」の組み合わせで、「再び座る場所」、つまり「住居」を意味します。例文としては、「彼の新しい住居は郊外にある(His new residence is in the suburbs.)」があります。

さいごに

みなさんは「dissident」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「体制や権威に異議を唱える人」という意味もあります。また、「dis-(離れて)」+「sedere(座る)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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