はじめに

こんにちは。今日は、「異議を唱える」ことを意味する英単語「dissent」について見ていきましょう。この単語は、政治や社会の文脈でよく使われます。そしてこの単語が実際に使われた、BBCが報じたタリバン政権がカブールに導入した約9万台の監視カメラが市民の生活をどのように捉えているのかを報じたニュースも紹介します。

dissentの意味

dissent」とは、「異なる意見を持つこと」、「異議を唱えること」を意味します。これは、一般的に社会的、政治的、または宗教的な文脈で使用されます。例えば、「彼は政府の政策に対して異議を唱えた(He dissented against the government’s policy.)」や、「その国では異議を唱えることが禁止されている(In that country, dissent is prohibited.)」などのように、「dissent」を使って意見の相違を表現することができます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「dissent」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年2月27日に報じた「Inside the Taliban’s surveillance network monitoring millions」の記事の中に出てきました。

 

In a crowded control centre, surrounded by dozens of TV screens, the Taliban’s police force proudly shows off its newly-acquired network of 90,000 CCTV cameras – used to watch over the day-to-day lives of millions of people. “We monitor the entire city of Kabul from here,” says Khalid Zadran, a spokesperson for the Taliban police chief, pointing to one of the screens. The authorities say such surveillance will help fight crime, but critics fear it will be used to clamp down on dissent and to monitor the strict morality code enforced by the Islamist Taliban government under their interpretation of Sharia law.

日本語訳: 数十のテレビ画面に囲まれた混雑した管制センターで、タリバン警察は、数百万人の日常生活を監視するために新たに導入した 9 万台の CCTV カメラのネットワークを誇​​らしげに披露している。「ここからカブール市全体を監視しています」と、タリバン警察長官の広報担当者ハリド・ザドラン氏は、画面の 1 つを指差しながら語った。当局は、このような監視は犯罪撲滅に役立つとしているが、批評家は、反対派の取り締まりや、イスラム教タリバン政権がシャリア法の解釈に基づいて施行している厳格な道徳規範の監視に利用されるのではないかと懸念している。

この記事では下記のことが書かれています。アフガニスタンのタリバン政権は、首都カブールに約9万台の監視カメラを設置し、市内全域の動向をリアルタイムで監視するシステムを導入しました。政府の説明では、この監視システムは犯罪防止と治安維持のために運用されており、警察が異常な行動を検知した場合、すぐに現場へ対応できるようになっているといいます。

このシステムの監視対象は、車のナンバープレートから人々の表情まで多岐にわたります。特に顔認識技術を活用し、年齢や性別、さらにはひげの有無やマスクの着用状況まで識別できる高度な機能を備えています。監視カメラの高性能ズーム機能により、遠方の個人の姿も鮮明に映し出すことが可能です。また、タリバン政権は自らの兵士も監視対象としており、治安維持のためにチェックポイントでの検査の様子もカメラに収められています。

当局は、この監視システムの導入によって犯罪率が30%減少したと発表していますが、その数値を独立した機関が検証することはできていません。一方で、国際人権団体は、このシステムが治安維持だけでなく、反政府活動家や女性の行動を監視する目的で利用される可能性を懸念しています。

特に女性の権利に対する影響は大きく、公共の場での服装や振る舞いの監視に利用されることが危惧されています。タリバン政権は道徳警察が監視システムを利用していないと説明していますが、女性たちの間では、自分たちの服装が取り締まりの対象になるのではないかという不安の声が上がっています。

また、監視カメラの設置費用の一部は一般市民にも負担が求められており、家ごとに多額の支払いを強いられたという証言もあります。払えない家庭には水道や電気の供給を停止するという圧力がかけられたと話す住民もおり、生活が困窮する中での負担増に対する不満が広がっています。

現在、アフガニスタンでは経済危機が深刻化し、国民の大半が貧困に苦しんでいます。国連によると、国内の約3,000万人が支援を必要としている状況です。その中で、監視システムの導入に巨額の資金を投入することが、市民の生活向上につながるのかは疑問視されています。

この記事では、「dissent」はタリバンの政府が市民の意見の相違や異議を抑圧するために監視ネットワークを使用するかもしれないという文脈で使われています。

dissentの語源

「dissent」の語源は、「dis-(異なって)」+「sentire(感じる、考える)」に由来しています。

同じ語源を共有する単語

dissent」の語源である「dis-(異なって)」と「sentire(感じる、考える)」は、他の単語でも使用されています。

dis-(異なって)」という語源を共有する単語には、「disagree(同意しない)」、「disrupt(混乱させる)」、「dispute(争う)」などがあります。これらの単語は、すべて「異なる」という意味を持つ「dis-」という語源を共有しています。例文としては、「私はその意見に同意しません(I disagree with that opinion.)」や、「彼の行動は会議を混乱させた(His actions disrupted the meeting.)」などが考えられます。

一方、「sentire(感じる、考える)」という語源を共有する単語には、「sense(感覚)」、「sentinel(見張り、監視者)」、「consensus(合意)」があります。これらの単語は、すべて「感じる、考える」という意味を持つ「sentire」という語源を共有しています。「sense」は、「感覚」や「意識」という意味を持ち、例文としては、「彼女には鋭いユーモアの感覚がある(She has a sharp sense of humor.)」などがあります。「sentinel」は、「見張り」や「監視者」という意味を持ち、例文としては、「その建物の入り口には見張りが立っていた(A sentinel was standing at the entrance of the building.)」などがあります。「consensus」は、「合意」という意味を持ち、例文としては、「その問題については全員の合意が必要です(Consensus of all members is required on this issue.)」などがあります。

さいごに

みなさんは「dissent」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「異なる意見を持つこと」や「異議を唱えること」という意味を持ちます。また、「dis-(異なって)」+「sentire(感じる、考える)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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