はじめに

こんにちは。今日は「残虐な行為や非人道的な行為」を意味する英単語「atrocity」について見ていきましょう。この単語は、人権侵害や戦争犯罪などの文脈でよく使用されます。そして実際に使用された、バイデン大統領が先住民寄宿学校政策への謝罪を表明するというニュースも紹介します。

atrocityの意味

atrocity」は「非人道的で残虐な行為」を意味します。これは、人間の尊厳を踏みにじる行為や、人権を著しく侵害する行為を指します。戦争犯罪や大規模な人権侵害を描写する際によく使用されます。例えば、「The war crimes tribunal investigated the atrocities committed during the conflict(戦争犯罪法廷は紛争中に行われた残虐行為を調査した)」のように使用されます。

実際に使用されている場面

BBCが2024年10月25日に報じたニュース「Biden to issue apology for Indian boarding schools」の記事の中で「atrocity」が使用されました。この記事は、バイデン大統領が150年にわたる先住民寄宿学校政策による残虐行為について、先住民コミュニティに正式に謝罪することを報じています。

 

US President Joe Biden will formally apologise to the Native American community for the atrocities of a 150 year Indian boarding school policy that aimed to culturally assimilate indigenous children.

日本語訳: 米大統領ジョー・バイデン氏は、先住民の子どもたちを強制的に文化的に同化させることを目的とした、150年間続いたインディアン寄宿学校政策の残虐行為について、先住民コミュニティに正式に謝罪する予定です。

この記事では下記のことが書かれています。アメリカのジョー・バイデン大統領は、アメリカ先住民の子供たちを対象とした「インディアン寄宿学校政策」について、先住民コミュニティに対し謝罪を表明する予定です。この政策は19世紀から1970年代にかけて続き、先住民の子供たちを家庭から無理やり連れ出し、彼らの文化を抹消しアメリカ文化に同化させることを目的としたものでした。

インディアン寄宿学校政策は、1819年から連邦政府によって開始され、523を超える学校が運営されました。多くの学校は教会が管理し、子供たちは親元を引き離され、遠く離れた寄宿学校で厳しい生活を強いられました。学校では先住民の言葉や文化が禁止され、従わない子供たちはしばしば身体的・精神的な虐待を受けました。一部の子供たちはその過酷な環境で命を落とし、家族の元に戻ることなく亡くなりました。

バイデン政権下で初めて、アメリカの内務省はこの寄宿学校政策の歴史に関する連邦調査を開始し、現代の先住民と過去の犠牲者の家族に向けた「Road to Healing(癒しへの道)」ツアーも実施しました。このツアーは、政策を生き延びた人々と家族の声を直接聞く機会として行われ、内務省は生存者の証言を記録するプロジェクトも開始しています。

バイデン大統領はアリゾナ州フェニックス近郊の先住民学校「Gila Crossing Community School」で、こうした歴史について初めて公式に謝罪を行います。この声明は、先住民コミュニティが長年待ち望んでいたもので、バイデン政権が歴史的な不正義に向き合い、犠牲者に向けて過去の過ちに対する償いを示す重要な一歩となります。

この記事では、「atrocity」という言葉が、歴史的な文脈における深刻な人権侵害を強調しています。

atrocityの語源

atrocity」の語源はラテン語の「atrox(恐ろしい、火のような、または脅威的な外見の)」に由来します。さらに「atrox」はインドヨーロッパ祖語の「ater-(火)」から来ています。例えば「The atrocity of the crime shocked the entire nation(その犯罪の残虐性は国全体に衝撃を与えた)」のように使用されます。「atrocity」は「atroc-」と「-ity」の組み合わせで構成されています。

同じ語源を共有する単語

ラテン語の「atrox」から派生した単語には「atrocious(残虐な、ひどい)」があります。「The conditions in the prison were atrocious(刑務所の環境は劣悪だった)」のように使用されます。「atrocious」は「atroc-」と「-ious」の組み合わせです。

また、「ater-(火)」の語源を持つ単語には「atrium(アトリウム)」があります。「The hotel’s atrium was filled with natural light(ホテルのアトリウムは自然光で満ちていた)」のように使用されます。「atrium」は元々、屋根裏からの煙が抜け場所所を指していました。

さいごに

「atrocity」という単語の意味や語源について理解は深まりましたか?この単語は、歴史的な事件や政治的な謝罪などで使用されることが多く、特にその語源からは恐ろしさや痛ましい状況を表現することに使われていることが多いです。また語源も「恐ろしい、火のような」を意味する語源をatrox が使用されています。

アメリカの「インディアン寄宿学校政策」によってもたらされた苦痛と悲劇は、長年にわたって見過ごされてきました。今回、バイデン大統領が正式に謝罪を表明することは、アメリカ社会が歴史と向き合い、和解への一歩を踏み出す重要な転換点となるでしょう。

かつて西洋諸国は、先住民族に対して残虐な行為や強制的な同化政策を行っていました。現代ではこのような非人道的な政策は否定されていますが、私たちはこの教訓を決して忘れてはいけません。特に、強い立場にある者が弱い立場にある者を虐げることは、どのような理由があっても正当化できません。私たちは過去の過ちから学び、すべての人々の尊厳と文化が尊重される社会を築いていかなければなりません。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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