はじめに

こんにちは。今日は、「大量に集める、蓄積する」という意味の英単語「amass」について見ていきましょう。この単語は、ビジネスや経済のニュースでよく使われます。そしてこの単語が実際に使われた、アメリカ合衆国司法省がVISAをデビットカード市場での独占的な行為を独占禁止法で訴えたニュースも紹介します。

amassの意味

amass」とは、「大量に集める、蓄積する」という意味です。例えば、「彼は多くの財産を蓄積した(He has amassed a great fortune.)」や、「彼女は知識を蓄積している(She is amassing knowledge.)」などのように、「amass」を使って大量に集めることを表現することができます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「amass」が使われているニュース記事を紹介しましょう。アメリカの報道局CNNが2024年9月24日に報じたニュース「US Justice Department accuses Visa of illegal monopoly that adds to the price of ‘nearly everything’」の記事の中に出てきました。

 

“We allege that Visa has unlawfully amassed the power to extract fees that far exceed what it could charge in a competitive market,” Attorney General Merrick Garland said in a statement. “Merchants and banks pass along those costs to consumers, either by raising prices or reducing quality or service. As a result, Visa’s unlawful conduct affects not just the price of one thing – but the price of nearly everything.”

日本語訳: 「我々は、VISAが競争市場で請求できる金額をはるかに超える手数料を徴収する力を不法に蓄積したと主張している」とメリック・ガーランド司法長官は声明で述べた。「小売業者や銀行は、価格を上げるか、品質やサービスを下げるかのいずれかの方法で、こうしたコストを消費者に転嫁している。その結果、VISAの不法行為は、一つの物の価格だけでなく、ほぼすべての物の価格に影響を及ぼしている。」

この記事では下記のことが書かれています。米司法省が、VISAがデビットカード市場で違法に独占的な力を持っているとして、同社を提訴したというニュースです。この訴訟では、VISAが市場の競争を阻害し、過剰な手数料を課しているとされています。司法省によると、VISAは競合他社の参入を防ぐため、排他的な契約を結んだり、新しい決済方法の台頭を抑えたりしているとされています。

また、VISAの行為により、企業は取引におけるコストが増加し、その影響が消費者にまで及んでいると指摘されています。具体的には、商品やサービスの価格上昇や品質低下につながっている可能性があるということです。

一方でVISAは、訴訟の内容は事実に反するとし、デビットカード市場は多くの競争相手が存在しており、自社はその中の一つに過ぎないと反論しています。VISAの法務責任者ジュリー・ロッテンバーグ氏は、オンラインでの決済方法が増加している現状を無視した訴訟であると述べ、会社として裁判で争う姿勢を示しました。

この訴訟は、過去にもVISAが競争を制限したとして米司法省が行った一連の法的行動の一部です。2020年には、VISAが金融テクノロジー企業Plaidとの53億ドルの合併を阻止されました。

今回の訴訟は、デビット取引の60%以上がVisaのネットワーク上で行われていることを背景にしています。そして、VISAは年間70億ドル以上の手数料を徴収しているとされ、これが競争の妨げになっていると批判されています。同時にVISAは、競合する企業が市場に参入しないように、パートナーシップを結んだり、罰則的な追加手数料を課すことで、競争を封じ込めているとされています。また、クレジットカード会社が課す高額な手数料に対しては、小売業者が長年にわたり不満を表明しており、数十億ドル規模の和解が過去に行われたものの、満足な解決には至っていません。

この記事では「amass」は、VISAが違法に力を蓄積しているという文脈で使われています。

amassの語源

amass」の語源は、「ad-(向かって)」+「masse(塊、山、積み重ね)」に由来しています。

同じ語源を共有する単語

amass」の語源である「ad-(向かって)」と「masse(塊、山、積み重ね)」は、他の単語でも使用されています。

ad-」という語源を共有する単語には、「admit(認める)」、「advertise(広告する)」などがあります。これらの単語は、すべて「向かって」という意味を持つ「ad-」という語源を共有しています。「admit」は、「ad-(向かって)」と「mittere(送る)」の組み合わせで、「認める」という意味を持ちます。例文としては、「彼は自分の過ちを認めた(He admitted his mistake.)」などがあります。「advertise」は、「ad-(向かって)」と「vertere(回す)」の組み合わせで、「広告する」という意味を持ちます。例文としては、「彼は新製品を広告した(He advertised the new product.)」などがあります。

一方、「masse(塊、山、積み重ね)」という語源を共有する単語には、「mass(大量)」、「massive(巨大な)」があります。「mass」は、「masse(塊、山、積み重ね)」の組み合わせで、「大量」という意味を持ちます。例文としては、「彼は大量のデータを分析した(He analyzed a mass of data.)」などがあります。「massive」は、「masse(塊、山、積み重ね)」の組み合わせで、「巨大な」という意味を持ちます。例文としては、「その建物は巨大だった(The building was massive.)」などがあります。

さいごに

みなさんは「amass」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「大量に集める、蓄積する」という意味もあります。また、「ad-(向かって)」+「masse(塊、山、積み重ね)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

私自身はVISAがデビットカード市場での独占で訴えられたというニュースに興味深く読みました。この訴訟は、米国の決済市場における競争環境と消費者への影響について重要な問題を提起しています。たしかに、VISAはアメリカだけでなく、世界中で使えるクレジットカードブランドですよね。私もいろいろな国を訪れましたが、どの国でも問題なくVISAカードを使うことができました。これほど広く普及しているからこそ、多くの人々がVISAを選んでいるのでしょう。

しかし、今回の訴訟で指摘されているように、市場の支配力が強すぎると、競争が失われ、消費者や企業にとって不利になることも考えられます。世界中で便利に使えるVISAだからこそ、公正な競争が維持され、消費者が健全な選択肢を持てることが大切だと感じます。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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