はじめに

こんにちは。今日は、「共通の目的のために結びついた関係」を意味する英単語「 alliance(同盟) 」について見ていきましょう。この単語は政治、経済、軍事、ビジネスなど幅広い場面で使われます。そして、この単語が実際に使われた、米国の高速鉄道計画について報じたBBCの記事も紹介します。

allianceの意味

alliance(同盟) 」とは、「共通の目的のために結びついた関係」を指します。国家間、企業、組織、個人間で使用されることが多いです。例えば、「米国と日本は防衛のための同盟を結んでいる(The US and Japan have formed an alliance for defense.)」や、「企業同士の戦略的同盟は市場拡大に役立つ(Strategic alliances between companies help expand the market.)」のように使われます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「 alliance(同盟) 」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年5月14日に報じた「Is the US finally on track to build a high-speed rail network?」という記事の中に出てきました。

 

Rick Harnish, of US campaign group High Speed Rail Alliance, says it is at least good to see the first two schemes being built.

日本語訳: 米国の高速鉄道推進団体「High Speed Rail Alliance」のリック・ハーニッシュ氏は、最初の2つの計画が建設されていることは、少なくとも良い兆候だと述べています。

この記事では下記のことが書かれています。アメリカには現在、3億4000万人の人口、71本の高速道路、5000を超える空港がありますが、本格的な高速鉄道は1本もありません。しかし現在、カリフォルニア州のサンフランシスコ〜ロサンゼルス間と、ネバダ州のラスベガス〜ロサンゼルス間という2つの高速鉄道プロジェクトが建設中で、ようやく実現に向けて動き始めたと言えます。前者は山岳地帯を通るため難工事であり、後者は比較的平坦なルートのため建設が進みやすいとされています。

さらに、オレゴン州ポートランドからワシントン州シアトルを経てカナダのバンクーバーに至る構想や、テキサス州のダラス〜ヒューストン間の計画もあります。しかし、これらの計画は進行が遅れていたり、連邦政府からの助成金が取り消されたことで実現が不透明になっているものもあります。

対照的に、中国の高速鉄道は今年中に5万kmを超えると見込まれ、2030年までには6万kmに達する予定です。ヨーロッパでも高速鉄道網は拡大を続けており、特にスペインがリードしています。イギリスでは、ロンドン〜ユーロトンネル間の「High Speed 1」に加えて、「High Speed 2」の建設も進行中です。

アメリカがこれまで高速鉄道に乗り遅れてきた理由としては、自動車依存の文化や、住民の反対、政府による投資意欲の欠如などが挙げられています。アムトラックの社長が最近辞任したことも、連邦政府と鉄道事業との関係に不透明感を与えています。アムトラックは年内に160マイル(約257km)で走行可能な新型アセラ列車を導入予定ですが、実際に150マイル以上の速度で走れる区間は全長457マイル中、たった50マイルしかありません。

現在建設中のカリフォルニア高速鉄道は州が主導し、2033年に完成予定です。一方、ラスベガス〜ロサンゼルス間の「Brightline West」は民間企業によるもので、2028年開業を目指しています。高速鉄道の整備には、道路との交差を避ける設計や直線的なルートの確保など、多くの技術的課題も伴います。

中国は東南アジア諸国にも高速鉄道を建設しており、インフラを通じて影響力を広げようとしています。一部の国では中国からの融資で鉄道を建設しているため、債務依存のリスクも指摘されています。

ヨーロッパでは公共交通インフラへの投資が長年続けられており、主要都市間を高速鉄道で結ぶ構想がさらに広がっています。このような中でアメリカが高速鉄道を発展させるためには、文化的な意識改革と公共交通への意識の転換が不可欠であると専門家は指摘しています。

また、連邦政府の支援がなければ実現は難しいとの声も多く、現在の政権がテキサス州のプロジェクトに対して「税金の無駄遣い」として補助金を打ち切ったことからも、政治的なハードルの高さがうかがえます。さらに、都市部の土地不足が新路線の開通を妨げているという物理的な制約も存在しています。

allianceの語源

alliance(同盟) 」の語源は、「 ad-(~に向かって) 」+「 ligare(束縛する、一つの物を他の物に結びつける、結ぶ) 」に由来します。「ad-」は方向性を示し、「ligare」は結びつけるという意味を持ちます。この組み合わせによって「ある目的に向かって結びつく」という意味が生まれました。

同じ語源を共有する単語

ad-(~に向かって) 」という語源を共有する単語には「 adapt(適応する) 」、「 advocate(主張する) 」、「 adhere(固守する) 」があります。

adapt 」は「 ad-(~に向かって) 」と「 aptus(適した) 」の組み合わせで、新しい状況に向かって適応するという意味を持ちます。例えば、 「人は環境の変化に適応する(People adapt to changes in their environment.)」 というように使われます。「 advocate 」は「 ad-(~に向かって) 」と「 vocare(呼ぶ) 」が組み合わさった単語で、何かのために声を上げるという意味になります。使用例としては、 「彼は環境保護を強く主張する(He strongly advocates for environmental protection.)」 があります。「 adhere 」は「 ad-(~に向かって) 」と「 haerere(くっつく) 」の組み合わせで、しっかりとくっつく、信念を持ち続けるという意味を持ちます。 「彼は信念を固守している(He adheres to his beliefs.)」 のように用いられます。

また、「 ligare(束縛する、一つの物を他の物に結びつける、結ぶ) 」を語源とする単語には「 ally(同盟を結ぶ) 」、「 league(連盟) 」、「 obligation(義務) 」があります。「 ally 」は「 ad-(~に向かって) 」と「 ligare(結びつける) 」が結びついて、ある目的に向かって結びつくという意味を表します。例文として 「その国々は互いに同盟を結んだ(The countries allied with each other.)」 が挙げられます。「 league 」は「 ligare(結びつける) 」をそのまま語源とし、複数の団体が協力するために結びつくという意味になります。 「彼はスポーツリーグに参加している(He participates in a sports league.)」 のような形で使われます。「 obligation 」は「 ob-(前に、妨げるものとして) 」と「 ligare(結びつける) 」を組み合わせており、何かに結びつけられている義務という意味を持っています。 「私は契約上の義務がある(I have an obligation under the contract.)」 といった文脈で使用されます。

さいごに

みなさんは「 alliance(同盟) 」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、組織や国が共通の目的のために協力することを表し、語源には「結びつく」という意味が込められています。また、「 ligare 」や「 ad- 」を共有する単語を知ることで、英語の語彙をより深く理解できそうですね。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

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