はじめに
こんにちは。今日は、「養子縁組」を意味する英単語「 adoption」について見ていきましょう。この単語は、家族や社会に関連する文脈でよく使われます。そしてこの単語が実際に使用された、BBCが報じた韓国の養子縁組に関する人権侵害のニュースも紹介します。
adoptionの意味
「 adoption(養子縁組) 」とは、「子供を法的に養子として迎えること」や「考え方や方法を採用すること」を指します。例えば、「彼らは孤児を養子にした(They adopted an orphan.)」や「その会社は新しい技術を採用した(The company adopted new technology.)」などの文脈で使用されます。
実際に使用されている場面
さて、英単語「 adoption(養子縁組) 」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2025年3月に報じた「South Korea admits to ‘mass exporting’ children for adoption」という記事の中に出てきました。
South Korean governments committed numerous human rights violations over decades in a controversial programme that sent at least 170,000 children and babies abroad for adoption, a landmark inquiry has found.
日本語訳: 韓国政府は、養子縁組目的で少なくとも17万人の子供や赤ん坊を国外に送るという物議を醸すプログラムの中で、数十年間にわたり多くの人権侵害を犯していたとする画期的な調査結果が発表されました。
この記事では下記のことが書かれています。韓国の国際養子縁組制度において、多くの子どもたちが不正な手続きによって海外に送られ、人権侵害を受けていたことが、真相究明委員会の調査によって明らかになりました。1950年代以降、韓国は世界で最も多くの子どもを海外に養子として送り出してきましたが、その背景には、政府の監督不足と、私的な養子縁組機関による営利目的の活動があったと指摘されています。
報告書によると、外国の養子縁組機関が毎月一定数の子どもを要求し、韓国の機関はその要求に応じる形で大規模な国際養子縁組を進めていました。しかし、その過程では多くの不正が行われ、出生記録の改ざんや、実際には親がいる子どもを「孤児」として扱うなどの違法行為が横行していたといいます。
また、養親となる人々の審査も不十分で、子どもたちの安全が確保されていませんでした。中には養親から虐待を受けたり、養子縁組の手続きが違法に行われたりしたケースも報告されています。その一例として、韓国からノルウェーへ13歳で養子に出されたインガー=トーネ・ウエランド・シンさんのケースが挙げられています。彼女の養親は、年齢制限のためノルウェー国内での養子縁組が認められなかったにもかかわらず、韓国で直接子どもを引き取るという違法な手段を用いました。その後、彼女は養親からの虐待を受け、長年にわたり苦しんできたと語っています。
現在、韓国政府は海外養子縁組の管理を強化するための新たな法制度を導入し、2023年には民間機関ではなく政府が直接手続きを行う法律を成立させました。しかし、依然として多くの養子が自分の出自を知ることができず、苦しんでいる現状があります。
adoptionの語源
「 adoption(養子縁組) 」の語源は、「 ad-(~に向かって) 」+「 optare(選ぶ、望む、欲する) 」に由来します。この組み合わせは、「望んで選ぶ」という意味を表しています。
同じ語源を共有する単語
「 ad-(~に向かって) 」を共有する単語には、さまざまな興味深い言葉があります。例えば、「 adjust(調整する) 」は「 ad-(~に向かって) 」+「 iuxta(隣、近く) 」の組み合わせです。例文として、「彼は椅子の高さを調整した(He adjusted the height of his chair.)」などがあります。
さらに、「 optare(選ぶ、望む、欲する) 」を共有する単語にも注目してみましょう。この語源を基にした単語には、「 option(選択肢) 」や「 adopt(採用する、養子にする) 」があります。「 option(選択肢) 」は、選ぶこと自体を意味しており、例文として「彼には2つの選択肢がある(He has two options.)」が挙げられます。この単語は、日常的に使われるだけでなく、重要な意思決定の場面でも用いられる表現です。そして、「 adopt(採用する、養子にする) 」は、「 ad-(~に向かって) 」+「 optare(選ぶ) 」の組み合わせで、「選んで迎え入れる」という深い意味を持っています。例文として、「その会社は新しい戦略を採用した(The company adopted a new strategy.)」や、「彼らは孤児を養子として迎えた(They adopted an orphan.)」があります。
さいごに
みなさんは「 adoption(養子縁組) 」の意味や語源について理解できましたか?この単語は、「選んで迎え入れる」という深い意味を持っています。また、語源を共有する単語を通じて英語の世界をさらに広げることができそうですね。
それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜