はじめに

こんにちは。今日は、「人を唆す・犯罪に加担する」を意味する英単語「abet(唆す)」について見ていきましょう。この単語は、法律や犯罪の文脈でよく使われます。そしてこの単語が実際に使われた、イーロン・マスク氏がOpenAIとサム・アルトマン氏を訴えた裁判で敗訴したというニュースも紹介します。

abetの意味

abet(唆す)」とは、「犯罪や不正行為を後押しし、加担する」ことを指します。この言葉は特に法律の文脈で頻繁に登場します。例えば、「彼は詐欺を手助けして幇助した(He aided and abetted the fraud.)」や、「その共犯者は犯罪に加担したとして起訴された(The accomplice was charged with abetting the crime.)」などの文脈で使用されます。

実際に使用されている場面

さて、英単語「abet(唆す)」が使われているニュース記事を紹介しましょう。BBCが2026年5月19日に報じた「Musk loses OpenAI court battle after jury finds he waited too long to sue」という記事の中に出てきました。

 

Musk had accused Microsoft of aiding and abetting OpenAI in its allegedly improper transition to a more for-profit company.

日本語訳:マスク氏はマイクロソフトが、OpenAIの営利企業への不正な移行を援助・幇助したと非難していました。

この記事では下記のことが書かれています。カリフォルニア州の陪審員団は、イーロン・マスク氏がOpenAIとサム・アルトマン氏を相手取った訴訟を棄却しました。全員一致の評決で、マスク氏の提訴が時効を過ぎていたと判断され、すべての請求が実質的に無効となりました。

マスク氏は、OpenAIの設立初期に3,800万ドルを寄付した後、アルトマン氏が非営利の契約に違反し、ChatGPTを開発する同社を営利企業へと転換させたと主張していました。また、マスク氏はマイクロソフトがこの営利企業への移行に加担したとも訴えていましたが、陪審員の評決を受けてマイクロソフトに対するその他の請求も法律上棄却されました。

陪審員団は月曜日に約2時間の審議を行いましたが、審理自体は3週間にわたり、マスク氏やアルトマン氏、さらにマイクロソフトのサティア・ナデラCEOらの証言が行われました。マイクロソフトの広報担当者は「この案件における事実と経緯は以前から明確だった」とコメントしています。

評決を受けてマスク氏はSNSのXに「数年間略奪を隠し続ければ慈善団体を略奪する自由な許可証が与えられる」と批判を投稿しましたが、その投稿はその後削除されました。マスク氏はさらに控訴を誓い、陪審員が「事案の本質」ではなく「暦上の技術的問題」に基づいて判断したと主張しています。陪審員団が時効の成立を認定したため、慈善信託違反や不当利得に関するマスク氏の主張の実質的な審理は行われませんでした。

この記事では、「abet(唆す)」は、マイクロソフトがOpenAIの営利企業化という不正とされる行為を後押ししたという文脈で使用されています。

abetの語源

abet(唆す)」の語源は、「ad-(~へ)」+「*bheid-(インド・ヨーロッパ祖語:分裂)」に由来します。この組み合わせは、「ある方向へと引き裂くように駆り立てる」、すなわち「そそのかす・加担する」という意味を表しています。

同じ語源を共有する単語

abet(唆す)」と同じ語源を持つ単語を見てみましょう。

ad-(~へ)」という部分を共有する単語には、「adapt(適応する)」や「adhere(固執する)」があります。「adapt(適応する)」は「ad-(~へ)」+「aptus(適した)」から成り立ちます。「ある状態へと近づける」という意味から「適応する」という意味が生まれました。例文としては「彼は新しい環境にすぐに適応した(He quickly adapted to the new environment.)」があります。「adhere(固執する)」は「ad-(~へ)」+「haerere(くっつく)」から成り立ち、「何かに向かってくっつく」という意味から「固執する・執着する」という意味が形成されます。例文としては「彼女は自分の信念に固執した(She adhered to her beliefs.)」があります。

*bheid-(分裂)」という部分を共有する単語には、「bit(小片)」と「bite(噛む)」があります。「bit(小片)」は「*bheid-(分裂)」に由来し、「噛み切られた断片」、すなわち「小さな欠片」を意味します。この語は「bite(噛む)」から派生しており、「何かを噛み切った結果生じる小さな部分」というイメージです。例文としては「もう少し時間をください(Give me just a bit more time.)」があります。「bite(噛む)」も同じ「*bheid-(分裂)」に由来し、「歯で引き裂く・分裂させる」という原義から「噛む」という意味が生まれました。例文としては「その犬は侵入者に噛みついた(The dog bit the intruder.)」があります。このように「*bheid-」は「引き裂く・分裂させる」という根本的なイメージを持ち、さまざまな単語の意味の核心を形成しています。

さいごに

みなさんは「abet(唆す)」の意味や語源について理解できましたか?この単語は「犯罪や不正行為に加担する・後押しする」という意味を持ちます。また、「ad-(~へ)」や「*bheid-(分裂)」という語源を共有する単語もたくさんあります。

それでは、今日はこの辺で失礼します。ではでは〜

参考文献

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA