はじめに

こんにちは。今日は「誘拐する」を意味する英単語「abduct」について解説します。この単語は、ニュース記事などで耳にすることがあります。今回は特に、北朝鮮による日本人拉致問題に関する報道で「abduct」がどのように使われているかを紹介します。

abductの意味

abduct」とは、「誘拐する」や「連れ去る」という意味を持つ英単語です。人や物を力ずくで、または不正な手段によって連れ去る行為を指します。この言葉は、犯罪や国際問題の文脈でよく使われます。例えば、「彼はその子供を誘拐した(He abducted the child.)」や、「その女性は外国に誘拐された(The woman was abducted to a foreign country.)」などの文脈で使用されます。

実際に使用されている場面

英単語「abduct」が使われているニュース記事を紹介しましょう。The Japan Timesが2025年6月5日に報じた「Mother of North Korean abductee urges government to have sense of mission over issue」という記事に登場しました。

 

Sakie Yokota, the mother of a child abducted by North Korea, called on the Japanese government to tackle the abduction issue with a sense of mission, as Thursday marked five years since the death of her husband, Shigeru.

日本語訳: 北朝鮮に誘拐された娘を持つ横田早紀江さんは、夫の滋さんの死から5年が経過した木曜日、日本政府に対し、拉致問題に使命感を持って取り組むよう訴えました。

この記事では、北朝鮮による拉致被害者である横田めぐみさんの母親、横田早紀江さんが、夫の滋さんの逝去から5年を迎えた日に、日本政府に対して拉致問題の解決に強い使命感を持って取り組むよう訴えたことが報じられています。めぐみさんは1977年に13歳で北朝鮮に拉致され、滋さんは2020年に87歳で娘との再会を果たすことなく亡くなりました。早紀江さんは、拉致問題の早期解決を求める活動を続けており、今年でめぐみさんの拉致から48年が経過し、早紀江さんが唯一存命の拉致被害者の親となっています。彼女は日本政府に対し、日朝首脳会談の早期開催を求め、トップ同士が直接話し合うことの重要性を強調しています。また、めぐみさんの帰国を求めるチャリティーコンサートのポスターが新潟市内のバスに掲示されるなど、多くの人々が支援の輪を広げています。

この記事では、「abduct」が「北朝鮮に誘拐された子供」という文脈で使われており、国際的な人権問題や犯罪行為の報道において重要なキーワードであることがわかります。

abductの語源

abduct」の語源は、ラテン語の「ab-(離れて)」と「ducere(導く)」に由来します。この二つの要素が組み合わさることで、「離れて導く」、つまり「連れ去る」や「誘拐する」という意味が形成されました。

同じ語源を共有する単語

abduct」と同じ語源を共有する単語を見てみましょう。

まず「ab-(離れて)」という部分を共有する単語には、「absent」や「abstain」があります。「absent」は「ab-(離れて)」と「esse(存在する)」の組み合わせで、「離れて存在する」という意味合いから「不在の」や「欠席している」といった意味になります。例えば、「彼は会議を欠席した(He was absent from the meeting.)」のように使われます。次に「abstain」は「ab-(離れて)」と「tenere(保つ、持つ)」の組み合わせで、「(何かから)離れて保つ」という意味から「自制する」や「棄権する」という意味が生まれます。例えば、「彼女は甘いものを控えた(She abstained from sweets.)」という文で使われます。

次に「ducere(導く)」という部分を共有する単語には、「conduct」、「deduction」、「reduce」があります。「conduct」は「com-(共に)」と「ducere(導く)」の組み合わせで、「共に導く」という意味合いから「行動する」や「指揮する」といった意味になります。例えば、「彼はオーケストラを指揮した(He conducted the orchestra.)」のように使われます。次に「deduction」は「de-(下に)」と「ducere(導く)」の組み合わせで、「下へ導く」という意味から「推論」や「控除」という意味が生まれます。例えば、「彼の推論は論理的だった(His deduction was logical.)」という文で使われます。そして「reduce」は「re-(後ろに)」と「ducere(導く)」の組み合わせで、「後ろに導く」という意味から「減らす」や「縮小する」という意味になります。例えば、「私たちは経費を削減する必要がある(We need to reduce expenses.)」というように使用されます。

さいごに

今回は「abduct(誘拐する)」の意味や語源、そして実際の使用例について詳しく見てきました。この単語が「ab-(離れて)」と「ducere(導く)」という構成から成り立っていることを理解することで、関連する他の単語の理解も深まりますね。

それでは、今日はこの辺で失礼します。

参考文献

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